大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)888 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鈴木義男、同河野太郎の上告理由について。

記録によると、被上告人は第一審以来所論両地の境界が六五番地上に建設してあ

る被上告人所有の木造亜鉛メッキ鋼板葺二階建建物の東南角及び東北角の各土台か

ら東方に一尺離れた地点を結んだ直線である旨を主張していたことが明らかであり、

原判決の引用した第一審判決の事実摘示の記載も右趣旨にほかならなかつたことが

その行文から容易に看取されるのであつて、右点につき所論の如き不明確は認めら

れない。また、原審は右両地の占有状態のみからその境界を判定したものではなく、

従来の経過事情その他諸般の証拠資料により認め得られる事実に基いて境界を確定

しているものであることが原判文上明らかであるから、此の点についても所論違法

はない。更に、記録によると、上告人は従来被上告人の賃借権が期間満了により昭

和二七年九月一四日に消滅し爾来被上告人は係争の宅地を不法に占有して来たもの

である旨を主張したに止まり、被上告人の右宅地占有自体を争つた趣意は全く顕わ

れていないのみならず、原審は被上告人が昭和二七年九月一五日以降もその賃料を

支払い上告人亦之を受領していた旨の事実を認定しその賃貸借関係の依然存続して

いる旨を判示していること原判決に明らかであつて、右点についても所論違法はな

い。されば、審理不尽理由不備を云う論旨はいずれも理由がない。

その余の論旨は、原審の事実認定、証拠の取捨判断を単に非難し、原審の否定し

た事実、原判示に副わない事実に基いて法令の違背を主張するに帰着するから、採

用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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